月風穂

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【誰よりも】

私は誰よりも自己開示が苦手である。
MBITとかエニアグラムとかやるのだが、大概自己開示が苦手と指摘される。
生年月日でやるやつなんかも指摘される。
ここまでくると運命めいたものを感じる。
最近では人との会話が面倒となり、自己開示云々でなくなってきているのは危険信号である。

思えば、私が好きなものを親に伝えることができたのも高校でやっとであった。
自己開示はいわば自身の弱みを提示することであり、全裸で相手と会話するようなものである。
寸胴な私の裸を見せたところで、である。
元来秘密主義である私は、全視線から逃れる必要があるのだ。
私を知りたいなら頑張って私と仲良くなれといった具合である。
こんな傲慢さは、次第に自己開示が得意な人たちを羨ましく思うようになってしまうのだ。


なぜここまで自己開示ができないのか。
私は人と仲良くなりたくないのではないか。
いや、そもそも他人は他人に興味など持たないのではないか。
そんな相手に自己開示する必要があるのか。
私はこう感じるのだろうな。これが思考の癖ってやつである。
もっとフラットに考えるのならば、私が相手を舐めており、私のことを教えたくないと深層で考えているのであろう。最低なやつである。

もちろん自己開示をする人は選ぶ。
誰これ構わず自己開示をするのは、そういう特性を持った人間かただの変態かである。
私はただ自己開示が苦手なだけで、距離を置いているわけではなく、本当に苦手でできないのだ。
私がこんな話をしても…と何度も頭を過り、どう思われるかを死ぬほど気にしているのだ。
実際発言すればどうってことはないのだが、そこに至る過程を考えすぎているのだ。
じゃあ考えなければ良いと思ったそこのあなた。
それはできない。私は考えすぎる性格なのだ。
残念ながら私の長所であり短所である。

私はこの場でこうして自己開示をしている。
他のところではできないし、ここでは誰も何も言えないからこそ価値があると思っている。
文章にするとできるんだがな。
相手がいるとわかると途端にできなくなるのだ。
つまり何も考えずにアホみたいに話すやつが最強ということである。
あぁ、やっぱり私は人を舐めてるな。

2/16/2024, 1:26:38 PM