くりす

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懐かしく思うこと

いつもの風景。「なんだか、懐かしい気分。」
なんて独り言を零す。ここは、昔住んでたところ。親友が隣に居て、泣いている。昨日は、親が泣いてたっけ。
「どうしたの」
「………」
親友は涙をこぼすだけ。
「―――〇〇」
俺の名前?
「何さ」
親友は、俺の名前を繰り返す。
「ねえ、ここにいるよ?」
「──────なんで、いなくなっちゃったの。俺は〇〇のこと、ずっと…親友だよ」

ああ、そうだった。
なんでここが懐かしく思うのか、どうして親や親友が涙を零したのか。

『…懐かしい、なあ』

そう思うだろ、俺の親友。

「…なんだか、懐かしい気分だなあ。そう思うでしょ、〇〇」

これ以上、もう二度と、
言葉を交わすことは無いだろう。

『「幸せだったよ」』

不意に言葉が被って、俺は笑う。なんで、泣いているの。
俺の言葉は、もう届かない。

10/30/2024, 10:18:46 AM