もしもタイムマシンがあったなら(2023.7.22)
期末テスト最終日の最後、英語の試験が終わり、教室には安堵のような解放感ような、少し浮ついた空気が流れている。
「あー!やっとテスト終わったぁ!」
「いや、今回の英語マジむずかったわ…英作文の1問目、解けた?もう時間なくて飛ばしたんだけど」
「あー、あれだろ?『問一、「もしもタイムマシンがあったなら」というテーマで、50語以上の英文を書きなさい』みたいな」
「問題文暗記してるのきしょいわー…多分仮定法使って書くんだろうな、って思ったけど、普通に書く時間なかったわ」
「えー、あれさ、普通に日本語で書くなら何て書く?」
「うーん…とりあえず、テストの記憶もったままテスト初日に戻って満点取りに行くわ」
「え、天才か?」
「いやでも、過去を変えると今の自分が存在しなくなる、みたいな話、SFであるしなぁ…タイムパラドックスだっけ?ま、過去の自分あってこその今の自分だしなぁ」
「うわ、哲学じゃん。深いわぁ」
「いや、浅いだろ。そう言うお前はタイムマシンがあったら何する?」
「ふっふっふ…俺も天才かもしれん。『タイムマシンがあったら』なんて問題が出されるのは、まだタイムマシンが存在していない時代だけ!つまり!タイムマシンが普通に存在している時代に行けばいい!」
「いや、自分がタイムマシンに乗れる時点で、タイムマシン普及してるだろ」
「あっ…なんてこった。タイムマシンなんて何の役にも立たないじゃないか!」
「少なくとも、タイムマシンは馬鹿に与えるには過ぎた代物ってことだな」
「馬鹿じゃねえし!!」
とある時代の、他愛もない会話。
7/23/2023, 3:22:53 AM