腹有詩書氣自華

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《記憶》

この隣にいる坊主が首を傾げりゃ、どんな國の城でも傾いちまうと言われていた。滴つた項があんまりにも妖艶で、内にあった微かな怯えっていうもんは何処ぞえと翔んでいったようだ。
その色男は此方をみて「いけずな....お人だ」とばかし言って、前のめりになりながらその愛おしい目を静かに閉じた。
刃が美しい首に入ったのは一瞬のことで。
見届けたら直ぐに自分の頭も転がって行った。

この俗世に悔いは無いですよ 死するは貴方の隣だから
この情人の最期の顔を1番近くで記憶に遺せるんだ
又 来世で逢いましょう
又 その項に口付けをさせてくれ

3/25/2025, 10:22:00 AM