たなか。

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【大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?】

夜が遠くて、手が伸びなくてとりあえず呼吸を置いた。 届かなくてとりあえずあくびが出てきたんだ。どれだけ、手を伸ばせば届くとか。どれだけ、あくびをして待ち続けてば君が振り向いてくれるか、って。どれだけ、考えたんだろう。
「今日は、月が綺麗な日だよね。明日も晴れかな。」
「ね、月綺麗。今日は言わないんだね。」
さすがに諦めって言葉を知っていたから。さすがにもう砕かれる勇気はないから。君にもう悲しそうな顔させたくなくて。馬鹿かな、かっこ悪いかな。かっこつかないとか自分でも分かってて、どれだけ君が好きか自分が一番分かっているつもりだった。
「死んでもいいかもね。」
「変なこと言わないでよ。」
「変なこと、かな。」
隣に座る君との距離感は変わらない。手が少しだけ触れそうになる距離。それでも、届かない。
「月が綺麗なんてロマンチックだよね。」
受け取れなかった言葉に後悔しつつ、勇気に感動した。死なせてくれてもいいのにね。夢であっていいからさ。

5/4/2023, 3:59:36 PM