ここは、天国だろうか。どこを見ても美少年、美少年、美少年……成る程、ここは天国だな。しかし何も無い…ただ、美少年達が此方に微笑みかけているだけで、これでは景色とも呼べないな。なんだこの空間は…。
一番俺好みな美少年に「ここはどこなんだ」と尋ねてみた。
どうやらここは天国でも地獄でもなく、オアシスと呼ばれる場所らしい……この美少年の集団は確かにオアシスと呼ぶに相応しいが…そもそも死後の世界なんてものが本当にあったことが驚きだ。で、俺はこれからどうすれば良いんだ…?
「お兄さんのしたいようにしなよ」と、俺好みな美少年が言う。日本人形みたいに艶のある黒髪に、愛嬌のある垂れ目。声変わりしていない彼の声が、なぜか懐かしく感じた。
「ここにいてもいいんだよ」と、美少年が宣う。
「でも、ここはオアシスだから…唯一の、休息だからね」
どういうことなんだ、と聞けば彼は表情を曇らせる。曰くここは現実で言うところの砂漠的な場所で、俺は運良くオアシスなる美少年達の集いに放り込まれたらしい。生死を彷徨っている状態だから、本当は直ぐにでも目覚めるべきだそうだ…。正直訳がわからない。
彼は俺の首筋の痣を撫でた。
「お兄さん…どうしたの?」
俺はすぐには答えられなかった。この無垢な少年が、自分の生み出した幻覚等では無くて、ましてや神の下僕たる天使でもなくて、俺の幼い頃の罪と過ちによって永遠の美少年となってしまった悲しきあの子だと気が付いたからだった。
ようやく、口を開いた。もうどうにでもなれ、と諦めた。
「君が、殺してくれるのかと思った。」
そんな訳、無いよな。そうだよな。そうだと言ってくれよ。
俺はオアシスの水で喉を潤す。毒素の含まれた、甘美で耽美な聖水。ギチギチと鳴る縄の音と、頸動脈や喉仏が絞まる感覚。この頭痛はいつになったら止むのだろう。
二十二作目「オアシス」
これはオアシスと言うよりハーレムです。皆さんも適度に水を飲み、熱中症には気をつけてください。曖昧はメンタルがクソザコなので、美少年を書くことで精神の安定を保っている☆彡
7/27/2025, 10:42:54 AM