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ふわりと意識が覚醒する。ぼんやりとした景色がだんだん浮かび上がって、カーテンの隙間から光が差し込んでいるのが見えた。首だけを動かしてスマホを探るけど、ベッドにその姿は見当たらない。うーん…
わたしはもう一度枕に頭を預ける。
感覚からしてだいたい昼過ぎなんだろうなと思う。昨晩、ずっと携帯をいじっていたら朝になっていた。…というか、朝が来て欲しくなくて携帯をいじっていたら残酷にもそれが来てしまったのだ。火曜日に1時間半寝で学校へ行ったことを考えて、まぁ行けるだろと高を括っていた自分は何だったのか。
ま、過ぎたことだしいいや…
火照った腕を掛け布団の上に放り出すと、ひんやりして気持ちがいい。…そういえば、こんな風に学校を休むのはいつぶりだろう。天井でゆらゆら揺れている光を見ながらぼんやり考えた。
学校を休む回数自体は少なくなかったが、そんな日もたいてい朝は起きていて、なにか作業をしていた。この前の正月休みだって、常に毎日なにかしら活動する日々だった。そう考えると、お昼からこんなにゆったり過ごすのは、ひどく久しぶりな気がした。
わたしは手触りのいい毛布を手繰り寄せて、そこに頭を埋める。ネコの身体に包まれているような、柔らかくて暖かい感覚。ふわふわと頬を撫でるそれに、わたしはまたふんわり意識が遠のくのを感じた

1/12/2023, 8:11:56 AM