とある恋人たちの日常。

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 今日も今日とて普通に仕事をしていた。
 救急隊員としては、年末年始なんて関係ない。でも世の中はそうじゃない。年末年始のどこか浮かれた雰囲気がこの都市を覆っていた。
 
 去年は書き初めしたな。
 去年の豊富はお金を貯めていたから……まあ……うん……。
 微妙に色々えぐる抱負を書いた記憶で、片隅に追いやった。
 
 今年の抱負だ、今年の抱負!!
 今年はなにがいいかな……。
 
 ぼんやりと考えて、今年も抱負を提出した。
 
 仕事を終えて、家に帰るといつものように恋人が飛びついて出迎えてくれる。
 
「おかえりなさい! 今日もお疲れさま!!」
 
 胸に飛び込んできた彼女を正面から受け止め、力強く抱きしめ返す。
 
「ただいまー」
「お腹すいてますか? 温めればすぐ食べられますよ」
「あ、食べたい」
「すぐ用意しますね! 着替えてきてください」
「ありがとう」
 
 彼女は嬉しそうに微笑んでから俺から離れ、キッチンに向かった。
 
 その彼女の背中を見つめながら病院で、やり取りをした抱負のことを思い出す。
 
 今年の俺の抱負。表面的なことは病院に出したことでいい。
 でも生活面で言うなら、なにか大きいことを願うんじゃなくて、小さくてもいいから彼女と平穏に過ごせたら……と思った。
 
 
 
おわり
 
 
 
二三一、新年の抱負

1/2/2025, 2:08:02 PM