苑夏

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「ラララ」
春頃、少し冷めた風が吹く
桜の木が満開になっている。
灰色の桜の木、
私は′′色彩異常′′だからだ
色彩異常とは、色が白黒になったり、
色の区別がつかなくなること
色彩異常のせいで色が見えない
緑も、黄色も、赤も、全ての色が白黒だ
今、座っている机だって色が分からない
今、読んでいる本も色が分からない
「はぁ、、」
「何してるの〜!」
「、、、へ?」
誰だこの子?私より身長が一回り小さい
ぐらいの子で多分、とてもフレンドリーな子?
なのかな、?わかんないけど誰、
「ねぇねぇ私ね今ピアノを弾けるようになったの!!」
「でねでね!!私のピアノ聴いてくれない!?」
???何を言っているの?ピアノを聴いて欲しい?
まぁいいけどなんなのこの子
「まぁいいけど、」「えっホントに!!?」
「ちょー嬉しい!!誰も聴いてくれなかったから
嬉しい!!ありがとう〜!」
元気に子だな〜とか思いながらその子を見てると
ピアノを準備し始めた。
「じゃあ聴いててね〜!」
準備が終わったのか元気な声が響いた
ピアノがなった瞬間、、、、
ピアノから、いや音から赤や黄色、緑などの
色が風に乗ったように流れて行く
あれ、おかしいな、どうしよう色が見える、
何故か涙が出てくる きっと色が見えたからだろう
綺麗な音が永遠に続いていく
「ラララ、」
素敵に音、このままずっとこの音を聞いていたい
いつしか私は眠りについていた
「ララララ、笑、喜んでくれて何よりだね笑、!」
幸せだった

3/7/2025, 3:27:27 PM