maria

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まだ時計を持たない頃
一日は驚きに満ちていて
時間はゆっくり流れていった。

嬉しいことや 初めて見るもの
哀しいことや 辛いこと
「そうである」と言い切れるものや
「そうとばかりも言えない」と曖昧なもの
それらを線引して引き出しにしまってゆく

12歳の頃、傷ついて
私は心で繭を作った。
繭の中で哀しみを
引き出しにしまい続けた。

18歳の頃、
自分と自分以外の、
理解の及ばない境界線を知った。
恋に涙しながら、
苦しみを引き出しにしまい続けた。

20代には20代の
30代には30代の
40代、50代、60代、70代
80代になってもきっと

「そうであるもの」と
「そうとばかりも言えないもの」を
線引して、悩みながらも仕分けして、
もがきながら生きてゆくのだろう。

だとしたら自分はきっと

このまま ずっと ずうっと 
子供のまんま


         「子供のままで」

5/12/2023, 11:58:12 AM