森瀬 まお

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今日は一段と月が綺麗だった。
地面は暗くて、よく見えない。
僕はそこに、ストンと腰を下ろした。
あの日も今日と同じように星が見えないほど月が明るかった。

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「すぅ、はぁ~」
僕には、お気に入りの公園があった。
公園といっても遊具なんて無くて、パッと見は空き地だ。
でも、ここには、家や学校の狭っ苦しい空気感が無くて、ただ、ゆっくりと今が流れている感じがして、
テストの点が悪かったり、親や先生に怒られた後なんかに、よく来ていた。
ここからは、綺麗に月が見える。
月は、いつ見ても綺麗なものだけれど、ここから見る月は、やけに不思議に見えた。
何て言うか、ちょっとだけ神秘的な感じ。
特に今日は、一段と月が綺麗だった。
なぜだろう。
ただ単に、月が明るいだけなのか。
それとも、僕が、それだけ大きなショックを受けているのか。
「すぅ、はぁ~」
僕はもう一度、深呼吸した。

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「すぅ、はぁ~」
あのとき、僕は光と闇の狭間で、何を考えていたのだろうか。
ふっ、あれから、まだそんなに経っていないのに、もう忘れてる。
今の自分に辛いことも時が経てば忘れられるんだろうか。
いつか、辛くなくなるんだろうか。
そんなことを思いながら、
僕は
光と闇の狭間で
秘かに泣いた。
今日は一段と月が綺麗だった。

















#光と闇の狭間で

12/2/2022, 12:00:08 PM