ほおずき るい

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「...はぁ」
朝目を覚まし、軍務をこなし、帰って寝る。
日々同じことを繰り返し明日へと足を進める。もはやこの人生になんの意味があるのかわからなくなってきた。姐姐と同じような人の手助けをしようと精神科医になり、姐姐の姿を忘れないために姐姐の髪型を真似、姐姐の仇を討ってやろうと精神科医をやめ軍に入り...
俺は、何をしているんだろう。

立ち上がり鏡の前に座る。
双子ではないのに姐姐と瓜二つのこの顔は、まっすぐな髪を腰まで伸ばし、右に一房の三つ編みを編んで垂らせば生きていた頃の姐姐が鏡の中で俺を見つめ返す。
俺は明日へと進んでいる。だけど

「姐姐、俺は、いや私はまだ立ち直れないよ」
もう12年も経つのに、姐姐を喪った悲しみは消えない。むしろどんどん心の中に巣食い奥へ奥へと根を張るばかり。
終われない日々に置いていかれないようにしなければ。



自分の創作の小話的なものをあげています。へーそうなんだー程度で読み流していただけると幸いです。

1/21/2025, 12:54:59 PM