「一目見たときから、君が好きだ!付き合って下さい!」
そんな告白、私は一生受けないんだろうな。
昼休み、お弁当をたべながら中庭を見下ろしていた。そこではこの学校のマドンナ、沙原 陽色がまたまた告白されていた。一週間に一度はこんな光景を見ている。だからこそ分かる。この後、彼女がどんな行動をとるのか。
「ごめんなさい!」
やっぱり。
彼女は今までの告白(高校のみ)、計48回全て断っている。勿体無い。試しに付き合うでもすればいいのに。
「ののちゃん、隣いいかな?」
そんなことを考えていると、例の彼女が私の傍にやってきた。どうぞ、と素っ気なく言うと、ありがとう!と朗らかに笑って言った。彼女は何故か、私によく話しかける。
彼女は顔が良い、そのくせ性格も良い。そんな人を好きにならない人などいない。だから、友達なんていくらでもいるのだ。私と違って。
「ののちゃん?どうかしたの?」
こてん、と可愛いらしく首を傾げる
「…その、さ。何で陽色さんは私なんかに話しかけてくれるのかなー、って…」
二人きりなのをいいことに、聞いてみた。深い意味は何もなかったのだ。
「なんかじゃないよ!」
勢いよく立ち上がる彼女に、思わず目を見開いた。
「ののちゃんすっごく頭いいし!なのにそれを鼻にかけたりしないし。それに、困ってる子がいたら誰でも声かけてくれるじゃん!自分が損するかもしれないのに。すごいよ!十分すぎるくらいにさ!」
怒涛の勢いで話す彼女に、唖然とする私。
「そんなののちゃんが私は好きなの!」
最後にそう締め括った。
「…何だか、告白みたいだね」
マズイ、と思った。考えていたことがそのまま口に出てしまった。真剣に話してくれたのに。謝ろうと口を開けかけたときだった。
「ひっ、一目見たときから貴方が大っ好きです!わ、私とお付き合いください!」
真っ赤な顔をして言った。言葉の意味を理解したとき、自分の顔が熱くなるのが分かった。息が上手くすえなくなくて、心臓がうるさくて。
胸が高鳴る。
3/20/2026, 4:29:36 AM