くりゆうなお

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死後の世界の王子様は
扉の番人をするのが仕事です

善人でも悪人でも みんな
天国か地獄か どちらかの道に進ませます

謳歌したにしろ 苦しんだにしろ
終わりの時を告げる仕事をしています

助手の赤い狐に気持ちを問われ 王子いわく

どちらの道だろうと
その人に最も足りなかった人生を得てほしい
進み続けてほしい そう思っている

赤い狐はその答えに耳をふるわせると
かつての銀色の狐に姿を戻し
銀色の涙をこぼしました


「時を告げる」

9/6/2023, 11:11:19 AM