ある所に
小さな魔女がいました。
いい魔女でも悪い魔女でもない
普通の魔女。
双子の姉が大好きで
いつも2人手を繋いでいました。
街でも有名な仲良し姉妹で
2人の作るレモネードはとても美味しく、
星屑アイスが上にのっていて
クリームソーダのようで
見た目も味も最高なのでした。
そんな平和な日が
火の海になったのは
少し後のことでした。
1人の悪い魔女が妖精の村を襲ってしまい、
怒った妖精たちは
魔女の街に火を放ったのです。
消火しようと
何人かの魔女は魔法で水を出しますが、
火には妖精の粉が混ざっており、
中々消えません。
双子は何とか避難出来ました。
しかし、
安全に暮らせそうな場所は見当たりません。
妖精に見つかると殺されてしまうかもしれない。
そう思った双子の姉は
妹だけでも守ろうと、
0.5日の招かれた者しか行けない所へ案内しました。
ずいぶん前に、
ここを作った別の星から来た人と
仲良くなったので、
勝手に使わせてもらいますと
手紙をそこら辺に置いておき、
妹にこの空間のことを隅から隅まで話しました。
そして妹には
私はここにはいられない。
魔女の街の近くで
安全そうなところを
必ず見つけて迎えに来る。
その間ここには招かれた者が
何人かやってくるから、
だからここの案内人になってくれと言いました。
少し考えてから頷いた小さな魔女は
またレモネードを作ろうと約束しました。
別れ際、
いい魔女になって、ここに来る人に
幸せな人生を与えてあげて欲しいと姉に言われました。
暖かいハグをして
悲しそうな笑みを浮かべながら
2人は別れました。
小さな魔女は
それから毎晩、
"Good Midnight!"
と言っていました。
これは魔女の街の暗黙のルール。
どこに居ても、
夜はそこにあって
いい夜を過ごしましょうと言う意味です。
12/9/2024, 12:19:37 PM