asphyxia

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草木も眠る丑三つ時。
頭上には暗い暗い空がぽっかりと口を開けていた。

「なぁ、これからどうする?」
ぽつり、と彼が呟く。
何も声量まで深夜に合わせなくていいのだが。
「どうするって、まだ遊び足りないだろ。」
今からカラオケオールしたっていい気分なのに。
「それはそう。」
「なんなんだお前。」

「いや、でもさ、どうせお前明日も誰かと会うでしょ。」
「俺ら体力もやしだもんなぁ……。」
「もう、帰るか。」

「…うん。」

「じゃあ…また明日。」
俺らに明日はないのに。
「どんな皮肉だよ。」
そう答えて、ふっと笑ってしまった。

─そうだな。お前は昔からそういうのが好きだったな。

「……また明日。」

─世界が終わるまで、残り、二日の出来事。

二人には二人の大事な人がいる。
だから、きっと明日会うことは無いのだろう。

ブランコを夜から漕いで漕いで、朝焼けを笑いながら待つような時間は、もうとっくのとうに過ぎて過去に溶けてしまった。

それでも、ただ、あの頃を忘れないように。
懐かしむように。どうか。

5/22/2026, 4:32:32 PM