ハレルヤハレルー
制服のスカートも捲れ上がり脚なんか見えるのも気にしないで自転車をかっ飛ばしながら
ずっと頭の中で呟いている
『ハレルヤハレルーハレルヤハレルー』どこかで聞いた事のある言葉、意味なんか知らない
知る必要もない、ただ今だけ私の頭の中は
その言葉を呟いている
一番空に近い場所へ行きたかった
両手を高く広げてあの無限に広がる青空に向かってただ手を伸ばしたかった
私の行きたい未来も自由も全て油まみれの弁当屋に縛り付けられている
それを思い知らされた……高校を卒業したら
母親が営む弁当屋の手伝いではなく二代目の下働きになる…みんなが言う都会さ行きたかった…渋谷とか山手線とかそういう中で暮らしたかった…小学生の時から貯めたお金もいつか夢の為に使おうといつか夢の為に使おうと思っていた。その夢は今は叶えられないし、まだ弁当屋になりたくないまだ弁当屋になりたくない私がここに居る……この思いの丈を一番空に近い場所からぶつけたかった、空に拾って欲しかった、悔しい思い、母を助けたい気持ちを全て預けたかった……私は弁当屋二代目になる
『ハレルヤハレルーハレルヤハレルー』
未来はそう捨てたもんじゃないと誰か言ってくれ
6/27/2025, 11:39:36 PM