らび。*・゜゚・*:୨♥୧

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君は、自転車に乗っていた。


馬鹿みたいに笑ってはしゃいで、

楽しくてしょうがなくて、

それでどこまでも君と走った。

疲れたあとの食事は何よりも美味しかった。

上り坂も下り坂も走ってきた。


———君が事故で亡くなるまで。


僕が君の墓へ向かおうとしたとき、

幻覚が見えた。君の姿だった。

半透明な君が、景色に溶けている。

これは幻なんかじゃない。

君は僕に目を合わせてはくれなかった。

それでも、君は間違いなく、そこにいた。

僕は、届かないを承知で呟いた。





「まだ旅から帰ってなかったんだね」





君は、自転車に乗っていた。

8/15/2023, 4:39:09 AM