大学生になると同時に化け物の元から逃げ出そうと一人暮らしを始めた。
しかし、ほんの数ヶ月で化け物は己の立場を利用して大学の教師連中を味方にし、こちらの居所を突き止めた。
その頃から声が止まない。
外から物音がする度、化け物共の足音が、唸り声が聞こえてくる。
来る。向かって来る。
こちらが消えるか、あちらを消すかしなければ一生逃れられない。
そんな思考が落ち着く頃にはいつも部屋中が荒れ果てていた。
学歴も友人も皆捨てて半ば蒸発するかたちで姿を眩ました。
今の家ではもう声は聞こえない。
静か過ぎるくらい何も聞こえなくなった。
またあの声が聞こえたらと考える度、心臓の音がバクバクと煩く鳴っていた。
9/22/2024, 7:17:45 PM