【未来への鍵】
「僕はずっとこのままがいい」
君は何かを諦めたかのようにそう言った。
僕には未来がないんからずっと過去にすがりついて生きたいんだ。なんて悲しい答えが溢れてくる。
「じゃあ俺に君の未来の鍵を頂戴、どうせいらないんでしょ?」
君はぽかんとした顔で俺を見詰める。
「どういうこと?」
「俺と一緒に未来の扉開けに行こう」
「二人だったら怖くないだろ」
そういった途端君の大きな黒目から涙が一雫こぼれた。
俺は君の全部を抱きしめる。
「ほんとに、いいの、?」
君は臆病だ。俺の全部を見せてもまだ不安になる。
「君の未来の扉を1つずつ開けに行こう。開けた扉が嫌な未来だったら閉めればいい。もしどの未来も苦しんでしまうなら、君の未来の鍵は俺が飲んであげる?」
「飲んじゃうの?」
「そう。お腹の中に入れるんだ」
「ふふ、本当にお前は馬鹿だね」
「君にだけは言われたくないね」
2人で寝転がってクスクス笑う。扉を開けに行くのはもう少し後でいいかな?
本当は今すぐ鍵なんか飲んでしまいたい
君とこのままずっと。
1/10/2025, 2:30:58 PM