趣のあるランタン

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  星が溢れる

 自分の将来に不安を抱き、心を落ち着かせようと少し遠いところにある草原へやってきた。
時折冷たいそよ風が吹き、空気は澄んでいておいしい。

 辺りを見渡しても建物はおろか電灯もない。
足元を照らすのは右手に持っているランタンのみだ。

 ランタンの灯りを消し、その場に寝転がる。
ひんやりとした土とさらりとした草が体を包み込み、なんとも心地よい。

 目を閉じて大地に体を預けるように脱力し、ゆっくりと、大きく深呼吸する。
すぅー...はぁー、と悩みを一つ一つ吐き出すように、丁寧に、丁寧に。

 そんなことを数回繰り返していると、ざぁっと急に強い風が吹き抜けた。

 思わず目を開けると、一面満天の星空が視界に溢れており、その壮大な星空に飲み込まれるように魅入っていた。

 しばらく眺めていると、目の前に広がる宇宙の雄大さに先程まで頭に絡みついていた悩みがするすると解けていった。

 先を見据えることは大事だ。

だけど、考えすぎるとしんどくなってしまう。

来るかも分からない先のことを考えるより、今を充実

させることの方が大事だというスタンスでいたほうが

心的に良いのかもしれない。

そのほうが、きっと後悔も少ないだろうから。

3/15/2024, 5:40:13 PM