手に手を取り合って、貴女と人生を歩みたかった。
貴女を目一杯愛して、貴女の愛も一身に受けて。
そうして十数年か、数十年かを共にして、貴女を静かに看取りたかった。
けれど、もしそうなっていたら、今俺はここにいないかもしれません。
貴女との生に満足して、あの大きな廻り続けるものに回収されていたかもしれません。今世の貴女に、こうして語りかけることもなかったかもしれません。
今、苦しんでいる貴女の力になれているのなら、俺はあの時に満足できなかったことを悲しいとは思いません。
あの時の貴女も、今の貴女も、俺にとっては等しく尊く、愛しいのです。
7/14/2024, 11:33:47 AM