何よりも本気でやった部活とか、
友達と歩いた帰り道とか、
頭を悩ませたテスト期間とか、
胸が高鳴った初恋とか、
そんな何気ない毎日が青春だった、
あの頃がたまらなく恋しい。
上司に厳しく怒られ、俯いていた電車の中で、
あの頃を思い出した。
戻りたい。
あの日々に。
思わず涙が零れそうになるのを堪えて、
なんとか家の玄関を開けた。
わかっていたつもりではいた。
でも、あまりにも夢見た理想とかけ離れていた。
甘く見ていたんだ。
だから、縋る思いであの頃が詰まっている箱を開けた。
中学、高校の卒アルに、体育祭の時のハチマキ。
修学旅行のときノリで買った変なマスコットキャラのぬいぐるみ。
お揃いのキーホルダー。
卒業証書。
後輩から貰った寄せ書き。
1つ1つ見ていくと、思わず笑ってしまうものが多かった。
あぁ、こんな事やったな。
懐かしいな。
写真の中で、生き生きと輝いている自分達。
こんな大人になってしまってごめん。
友達と書きあった寄せ書きを見ていると、
1つの言葉が目に留まった。
『俺達は、此処にいる!!!!』
思わず目を見開いた。
多分、忘れかけていた何かを忘れていた事に気づいたから。
写真の中の笑っている自分と目が合った。
そして、無意識に笑っていた。
久しぶりに、声を出して笑った。
よく、「過去は振り返るな」「前だけ見て進め」
なんて言葉を聞くけど、
思い出して、また戻りたいと思う日が来れば、
戻ればいい。
別に止まっている訳では無いのだから。
また過去の自分達に救われる日が来るだろう。
10/6/2024, 10:47:10 AM