村人ABCが世界を救うまで

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「良く分かりませんが、なんとなく分かりました…。分かりたくないですけどね」
呪文のようなことを言いながら、相棒は同じベッドに座ってきた。ため息を吐きながら、洗ったばかりの髪を後ろに撫でつけている。

座っても彼のほうがずっと坐高は高い。いつの間にか大きくなった体格。出会った頃とは違う細い筋肉質な身体は長期戦にも耐えうる自然と身についたものと、ドーピングによるものだ。刀傷はいつの間にか消えている。
「平気だ。慣れた」
まるで怪しげな宗教に身を支えげるおぞましい儀式のような夜は、もう何度も超えた。
私は最初こそ怯えを隠せなかったが、ついに何も感じず決められた言葉を繰り返す生き物となった。
「知ろうとする機会はいくらでもあった、なのに行動に移さなかった自分にも非があります」
「自分で決めたことだ。お前に話すこともないでしょう」
「そうやって、決定権を持っていて自分で選んだ。有名な逃げられなくする仕組みです」
「仕組み?」

ぎし、と音がした。
大きな手のひらが手首を握り、そのままベッドに押し付けてきた。
「貴方は震えています。これは条件反射です。自分にも覚えがありますが…逃げれないと分かると人間傷つかないようにへつらって、必要最低限しか行動しなくなるんですよ」
息を吸った。怒鳴ってやろうと思った。
彼の髪から雫が落ちてくる。下半身は押し付けられ動かない、両手首も骨がなるほど握られている。声が出なかった。


「羽根をもいで遊ぶ」

それと同じです。


モンシロチョウ







5/11/2026, 5:44:06 AM