とある日の放課後。
誰も居ない教室には、夕日が差し込み、机や椅子、埃をキラキラと照らし出していた。
そんな教室で、一人の少年が本を読んでいる。
と、そこへ
「あれ?黒瀬君?まだ居たんだ。」
一人の黒い長髪の少女が声をかけてきた。
彼女の名前は彩麗陽菜。
実は黒瀬が片思いをしているクラスメイトだ。
「うん。」
黒瀬は本に目を向けたまま、素っ気なく答えた。
「本が好きなの?」
「まぁ⋯」
「じゃあ、私と同じだね!私も本を読むのが好きなんだ!」
「へぇ⋯。」
「ね、何の本を読んでるの?」
「ファンタジー小説。」
「面白い?」
「それなりに?」
「なにそれー!」
彩麗は、黒瀬の答え方が面白かったのかケラケラと愉しそうに笑った。
そんな彩麗の笑顔に黒瀬は、やっぱり好きだなぁと、改めて思った。そして、
(告白するなら、今しかない。)
そう決意すると、本を置いて顔を上げ、
「彩麗さん。好きです。僕と付き合ってください。」
彩麗に好意を伝えた。
その目は真剣そのものだ。
「え⋯?」
彩麗は突然の事に目を丸くし戸惑うように言った。
「うん。そう。彩麗さんと。駄目かな?」
「ううん。良いよ!」
「やっぱり駄目だよねって⋯⋯って良いの!?」
「うん!だって、私も黒瀬君の事が好きだし!」
「え、えぇ!?」
突然の事に黒瀬は本日二度目の驚きを示す。
「だから、喜んで!」
そんな黒瀬を見て彩麗は満面の笑みで応じた。
その笑顔はまるで万華鏡のような煌びやかさを放ち、ダイヤモンドダストの様な眩しさで溢れていた。彩麗という名前のとおりに。
創作
9/7/2025, 3:49:37 AM