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バス停。トタン屋根にバツバツと雨が打ちつける。
幸い、備え付けの椅子はまだ濡れていなかった。

以前このバス停で見知らぬ人に話かけられた時を思い出す。

話の内容はある程度覚えているが、顔はもう覚えてない。

見知らぬ人に話しかける彼の性質や、彼がこれまでに出逢った人達に思いを馳せる。

彼との一瞬の出逢いは同時に彼の背後にいる人たちとの出逢いでもあった。

人の連なりがたまにどうしようもなく恐ろしい。

人間の円環から飛び出てまっさらになりたい。

そこまで考えて自分がどうも憂鬱になっていることに気付き、イヤホンをつけた。

(テーマ:君と出逢って)

5/5/2024, 3:50:15 PM