万点

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        「過ぎた日を想う」

君がいなくなってから何年経っただろう。
優しかった君は、この世の全てを知ったような、絶望した
顔をして、闇の中に消えていった。

なんで、相談してくれなかったの?
私じゃ頼りなかった?
私の心の中では無力感と疑問が未だに残っている。

君は、人間の道を踏み外してしまった。
この世界で、正しく生きることはできないだろう。

それでも、私は君に会いたい。
私は君の味方だ。
面影が残っていなくても、原型をとどめていなくても、
君に会いたい。

今年、、、やっとこの願いを叶えることができた。

君は、突如私の前へ現れ、
私が呼吸をするよりも早く、君は口を開いた。

「私のしたことは間違っていない」
「悪いのは全部、社会と人間だ」

私はその言葉を聞き、決断した。・・・・・・
君を刺した私の手は温かく、赤かった。

私は、君と会ったら、どうするか決めていた。
昔の面影があるのなら、罪を犯してでも私は君をかくまうつもりだった。
もし、ないのなら、君をこの世から解放しようと
思っていた。

私の選択肢は後者だ。
君の瞳には、表情には、言動には、あの時の優しさなんて
これっぽっちも残っていなかった。

それでも、私は君が好きだ、、、。
君が嫌いな世界で苦しむのは耐えられない。
君じゃない君の顔なんて見たくない。
だから、この世から解放してあげた。

君は、私の膝で眠りについた。
眠っている姿は、どこか、人間のようで、君のようだ。

私は君を忘れない。一生、味方だよ。いや、親友だ。
君は悪くない。私は君を罰するつもりも無い。

だって、、悪いのは、罰せられるべきなのは、
この世界だ。
                 END
       フィクションです











10/6/2023, 11:49:10 AM