窓から見える景色
どんな人が好きかと聞かれたら、電車で窓の外を眺めているような人、と答えるのはどうだろう。そんな使い所のないことを考える。電車に乗るたびに思う。いつ何時もスマホを見ている人が苦手だ。忙しくて、やりたいことが多くて、それをこなしている人は尊敬している。だけど、自分とは波長が合わないだろうとも思う。のんびりと、もう少し言えば、何を考えてもいい時間が好きなのだ。それを理解してくれる人と一緒にいたい。
最近では電車で何もしない人は少ない。ぼんやり立っていたら、スマホを覗かれたと勘違いして睨んでくる人もいる。必然的に、窓の外を眺めることになる。
ガタゴトと音を立てる車両が橋にかかる。夕日がきらきらと水面に映えていた。綺麗だと思い、でも水質は汚いはずだと思い直す。都市部の河川だ。川底には多くのゴミが落ちているに違いない。
水を見るというのは、物事を見ることの象徴かもしれない。浅い角度では表面しか見えず、覗き込むことで底深くまで見える。そういえば、水は屈折により実際より浅く見えるともいう。見えているようで、浅くまでしか見えていない。これは耳が痛い話だ……。
そんなどうでもいいことを考えながら、今日も僕は帰り道を行く。
9/25/2024, 1:47:56 PM