シシー

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 ――太陽の下で笑うあなたが憎い

 言葉にしたらとても軽く感じるこの想いと長い間睨み合ってきた。
 ずっと私の後ろを付いてきていただけの子が、ポンッと家から出ていったときにようやく真正面からその姿をみた。
真っ黒でドロドロとした影だとばかり思っていた。だからその顔をみることも声をきくこともひどく恐ろしかった。

 だけど、どうだろう。
眩しい太陽の光を当然のように浴びて、それを自分のものだと信じて疑わない素直さを持ったまま笑っているのだ。
 昔、殴り合いの喧嘩をしたときの目やいたずらがバレたときの饒舌な口も、ひたすら我慢を強いられた弱々しい身体も心も、全部なかったかのように笑ってる。

 強い光を浴びるあなたと、その影に未だに囚われて逃げる努力すらしない私と。
 ああ、やっぱりね。私はあなたのようになれないの。

 ――本当に、本当に憎くてたまらない


               【題:太陽の下で】

11/25/2023, 10:24:18 AM