思念が大気に満ちている。頬をかすめたのは老人のもの、指に触れたのは少年のもの。どれも祈りに等しい思念だと思う。この身が遠い場所にあるときには様々に分裂した思念だったというのに、今はほぼ二つだ。来ないで、か。あるいは来てほしい。私にはその思念を跳ね除けられない。ただ流れに身を任せるだけだ。ああ、思念がより増えた。もうすぐ会える。願いを寄せたものたちに。願わくば、ひとことでもあなたがたと意思をかわすことができたら。
4/26/2023, 5:52:54 AM