悠々

Open App

昨日は、頭が回っていなかった。朝は、家から最寄り駅までの道のりで、転んだ。私は、元々ロンファーと不仲なのはいつもだが、昨日は酷かった。バスが混んでいて、席を詰めなくてはならなかった。私は、左右どちらかに座らないといけなかったが、アワアワしてしまった。学校では、数学の時間に計算ミスをし、初めからやり直しだった。数学は、2時間有ったが、どちらもケアレスミスのオンパレードだった。お昼休みに昼食を食べられず(忙しいことは悪いことじゃない)、5時間目はウトウトと睡魔に襲われた。やっと、授業が終わり、部活に行ったが、やはり失敗続きだった。私は、彼氏の髪にすら触れられず、とぼとぼと帰路につた。電車内で、日記をアプリに書くも、書き終わった時に、データが消え、水の泡とかした。昨日は、散々だった。最寄り駅から家の道のりで、小さな公園がある。その公園のブランコに腰を下ろした。久し振りに、本気でこいでみた。この風の爽快感も空に近付き、離れる楽しさも、子供心を擽られる。嫌なことほど、忘れようと思えば思う程、忘れられない。だから、楽しかったり嬉しかったりしたことで、隠そうとする。それで、明日が迎えられるのならば、きっとそれで良いんだ。
家に帰ると、彼氏から連絡が入った。ハグをしたいと書かれていた。彼氏は積極的な方ではない。そんな彼が勇気を出して、書いて送ったのだろう。でも、私は正直怖かった。一昨日髪を初めて触ったのに、もうハグを求められる事に抵抗を感じていた。人に急に距離を詰められて、怖じ気付いてしまった。ただ、どうしようも無い程に、私は怖がりで、対人関係に悩むことが多い。もし、対人関係がブランコのように行ったり来たりだったら、私はそれを望まない。急に離れて近づいて、安定しない関係に不安感と不信感で、押し潰される。きっと、離れる事が正解だったとしても、私はゆっくり、寄り添えるように近付いていきたい。

私は、昨日から心臓がバクバクと成っていた。今日、学校で彼氏にハグをされると思うと、変に緊張していた。そして、二人きりに成った時に、ハグをした。どうして、ハグをしたくなったのか聞くと、「きっとバグしたいって言わなきゃ、ずっとしなかっただろから」と言っていた。確かに、そうかもしれない。ただ、ハグをしてから思ったのだが、案外怖くは無かった。好きなものをちゃんと好きと言え、大切に出来るのはどれだけの時間が必要なのだろうか。小さい頃は、好きなものは、直ぐに好きだと言えたのに、今は、素直に成れなれず、言葉が憚られる。だけど、どうしても言いたい。言っておきたい。私は、本当に彼氏を愛している。敬愛している。だから、ちゃんと話し合おう。もっと、君の事を知りたい。触れてみたい。時間がないのは、お互い周知の事実だろう。だけど、合間を縫って、一緒にこれからの事を考えていこう。
私は、今日もブランコに腰を下ろした。子供の頃の記憶が蘇っては消えって行った。
月が輝いて、暗い街を照らしていた。
子供の頃に乗った、ブランコから降り、家に着いた。

2/2/2024, 8:42:31 AM