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桜が咲くたびに、私はあの人を思い出す。
薄い花びらが散る光景は、どうしてこんなにも昔の痛みを連れてくるんだろう。
受験に失敗して、行きたかった大学には届かなくて、
それでも好きだった人には何も言えないまま、私は静かに就職した。
あの春、何ひとつうまく握りしめられなかった自分が、ずっと胸のどこかに残っている。
あれが正しかったのかなんて、今でもわからない。
ただ、時間だけが過ぎて、桜だけが毎年変わらず咲いては散っていく。
そのたびに、置いてきたはずの感情が、ひっそりと息を吹き返す。
それでも私は、自分を責めるのはもうやめたい。
自分を愛することを、少しずつでも覚えたい。
受け入れることも、手放すことも、愛を持ってできる人になりたい。
だから今日も、私は自分を選ぶ。
あの日叶えられなかった幸せに、少しでも近づくために。

                       幸せに

3/31/2026, 1:44:47 PM