蒼夏

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ー海の底ー
、、
青春がそこにある。そう思った。


高校入試直前、塾の先生は、学校の先生は、言った。

これを乗り越えたら楽しいことがあるよ。


そりゃそうだ。
これまで孤独でも踏ん張ってきたんだから。


塾でも学校でも馬鹿にされることが多かった私は

卒業を解放の日と考えていた。

卒業式に涙ぐむ同級生の気持ちなど分からなかった。

結局、感謝や謝罪や友情もましてや恋愛感情など

本当には感じられないまま、

小学生以来忘れたまま、

中学校の卒業式を終えた。



そして、

もうすぐ高校の卒業式。


私は、

卒業式を

また

楽しみにしている。






私は

踏ん張った。

もう変な人と思われないために

頑張った。

返ってきたのは

最初は良かったね、の言葉。

結局人間は芯からは変われないらしい。


「成功する人は変えられるところを変える人だ」

先生の熱の籠ったひとつひとつの諭すような言葉など

ただ海の表面に吹く弱い風だった。

変えられないところを馬鹿にされるから

変えようと思うんだろう

それでも変われなくてまた人に言葉で刺されるから

人間関係は苦しいんだよ。











入試とはまた酷なもので

どれだけ孤独に耐えてこようが

いじめっ子の方が結果が良かったりすることもある。

これが現実だ。


仕方がない。


合計点を性格の悪さの数字じゃないかと

都合の良いように捉えようとする

自分もまた虚しくなって

ただ駅の反対側のホームから見えないところで

涙を零した。


報われない。

そうだ。

こんなもんだ。




青春の海は黒かった。
、、
少なくともほんとうにそこにいる時は

黒いのである。

































1/20/2026, 12:57:17 PM