【大切なもの】
学校の授業で大切なものという内容の作文の宿題が出された。みんな不満そうにしていた。そんなもの分からない。
口を揃えてみなそう言っていた。僕は、昔誰かから聞いたことを書くことにした。次の日の学校では、順番に読んでいくことになった。みんな緊張したり、ふざけたりしながらも読んでいた。僕の番が来て、僕は立ち上がって読み始めた。
「大切なもの。
これは、とある人から聞いた話で、僕はこれをずっと覚えています。その人の言葉は、
"自分が好きな人より、自分を好いてくれる人を大事にしなさい。"というものでした。僕は、何故だろう。と思いました。自分が大事だと思っている人、好きだと思う人、本当はそんな人達を優先した方がいいと、その時までは考えてました。ですが、そのとある人はこう言いました。
この世には何億人の人がいると思う?
そんな中で自分を好いてくれる人なんて貴重な存在でしかないんだよ。
例え、自分がどんなに嫌いな人が、自分のことを好いていても、それも、何億分の一かの確率で自分のことを好きになってくれたんだよ。だから、自分が好きだと思う人も大切に大事にすればいい。
だがそれよりも、自分を好いてくれる人が、どれだけ貴重なのか、それを忘れちゃいけないよ。
いつかその有難みが、きっとわかる時が来る。
けどね、どうしても無理なことがあると思う。
その時は、無駄に傷つけずに、そっと離れなさい。それが、いちばん大切なんだよ。人間いつか、みなどうせいずれ死んで同じ骨の屍に、ムジナになるんだから、今居てくれる人を大事にね。失ってから初めて気づくこともあるけど、それじゃ遅いんだよ。」
作文が終わると、みんな少し潤んでいた。
泣いている人もいた。教師は、驚いていた。
でも、少しだけ何故か、クラスの雰囲気が軽くなっていた。確かにそうだ。みんなが頷いた。大切な物は、いつも近くにあると、その人は教えてくれた。
4/3/2026, 1:33:50 AM