るに

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手紙を開くと
眠くなりそうな長文が出てきた。
毎年最低でも12通は届く
亡き従兄弟からの手紙。
最初届いた時はすごく驚いた。
つい昨日火葬した従兄弟から
なんか手紙書けたとかいう
ふざけた文から始まって
私宛に手紙が届いたから。
何度も目を擦って
差出人と宛名を見た。
もう埋もれてるから
内容はそんなに覚えてないけど
確かこんなのだった気がする。
やっほー。
突然ごめんね。
昨日火葬してもらったばっかりなのに
私、なんか手紙書けたわ。
いやー、別に未練あったわけでも
地縛霊とかなんとかになったわけでもないのよ。
ただ白い部屋に行ったら
紙とペンがあって
手紙が出せたってだけで。
もちろん白い部屋は出入りできるよ?
閉じ込められてないから
そこら辺は安心してね。
でさ、3年前に死んじゃった愛犬いたじゃん?
あの子5歳の時の姿で
元気に走り回ってたよ。
だから、
こっちは楽し…?くはやってないけど、
まあぼちぼちって感じだから
母さんと父さんによろしく。
昔から結構放り投げる性格で
説明するのが苦手な従兄弟は
多分大丈夫だという事を
伝えたかったのだろう。
あえて大丈夫という言葉を使わずに。
"Good Midnight!"
半年の余命宣告をされ
私は半年よりも
2、3週間だけ長く生きた。
その間従兄弟から毎日手紙が届き
毎日延命を手伝うと言ってくれた。

5/5/2025, 6:02:49 PM