呪詛を吐くにはうってつけの場所だ。一見して愛だと、一見どころか生涯愛の名を疑われずに墓に埋まる呪いだって、ここで吐くのがいちばんだ。のろい、という言葉が気安く使われるようになって久しい。解呪の話がセットでついてきてほしいものだけど、そう上手くはいかない。救われないままの人間が多数だ。同じように呪われたらどうすればいい。不安の共有だけで気の済むものではないのに。部屋の片隅に置いたベッドに潜り込む。君の体温でとうに温かい。その穏やかな顔を見つめる。穴が空くほど。空いてしまえばいい、君と同じように呪われなくてどうすればいい、と吐き出す。
12/7/2023, 6:21:38 PM