loto

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ひなまつりとは三月三日に女の子の幸せと健やかな成長を祈る行事の一つである。
学校でもお雛様を作った。
学校から帰るとお母さんとお父さん、おばあちゃんがひなまつりの準備をしていた。
私はお雛様を見て、酷く驚いた。
だって、お雛様にヒビが入っているのだから。
私は疑問に思ってお母さんに思わず訊ねた。
「お母さん。何でこのお雛様にはヒビがあるの?」
「じゃあ、瑠鈴はひなまつりの起源...始まりは知ってるかしら?」
「ううん。知らない。」
「そっか。ひなまつりの始まりはね、昔の中国でやってた厄災…悪いものをあっち行けー!ってお祈りする行事があったの。
だから、私たちはそれを真似してひなまつりが始まったのよ。
日本では人形(ひとがた)は身代わりになってくれるって考えられていたから、女の子の悪いものをお雛様に移しちゃうの。」
でも、それだったら…
「お母さん。お雛様は痛くないの?」
「痛いと思うわ。だけどね、お雛様は私たちよりずっと大人だから瑠鈴や瑠鈴の友達の為に耐えてくれてるのよ。」
「じゃあ私、お母さん達みたいな人になる!
それでお雛様を治してあげるの!」
「…そっか。私たちも応援してるわ。でも、辛いなら逃げても良いからね。」
このときの母の言葉は今でも僕の胸に刻んでいる。
「…あら?瑠鈴ちゃん。誰かお友達でも来てたの?」
「…ううん。誰も、来てないよ。おばあちゃん。」







             『ひなまつり』三月四日
                      loto.






《解説》
最後の「僕」は誤字では無いです。
七歳までは女の子として生活する。というものがあってですね。
自分が知っている例であれば、鬼滅の産屋敷家みたいな感じです。
七歳だった瑠鈴が生まれて直ぐに亡くなってしまった両親と逢えるのがお盆とひなまつりだけ。
お盆は死者の魂が現世に戻ってくるとされているから、勿論逢えるのですが、ひなまつりやこれからは端午の節句で我が子の成長を祈りたいという想いで降り来れればなと思って書きました。


※これは読みたい方だけ読んで下さい。


何で瑠鈴の両親が生まれて直ぐに亡くなったかというと、両親が祓魔師だったからです。
ちなみに家系とかでは無いです。

此処まで読んで下さって有難う御座います。

3/3/2024, 10:53:04 PM