石灰

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お題『君の目を見つめると』

 それは、運命とでも言うべき出会いだった。多分、君もそう思ったのだろう。おもちゃを触る手をとめて、こちらをまじまじと見つめる。

 ガラス越しに手と足が触れ合った──




 それから早3年の時が流れた。

「おすわり」

 あの日出会った犬は今も変わらずこちらをまじまじと見つめては短い尻尾を千切れんばかりに振る。君の目を見つめると、必ずあの出会いの日を思い出す。君の目を見つめると、もっと愛しさが溢れる。

「よし」

 早食い気味なのは気になるし、ご飯を食べずにおやつばっかり食べてるのも気になる。でも、待てをしている間に涎がボタボタ垂れているところとか。少しだけおバカさんなところもこれからもずっと愛してる。

4/6/2024, 11:18:29 AM