海喑

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イブの夜

カーテン越しに見える積もった雪、そして綺麗な夜空に煌々と煌めく星々。そこからは昼間に作った雪だるまとかまくらが見えて、昼間の情景が安易に思い出せます。「どこ見てるの?」首を傾げながら彼女は言ったでしょう。私はその声に呼ばれてテーブルに目を戻しました。テーブルはいつもと異なり、綺麗なテーブルクロスが掛けられていました。そしてそこに置かれていたのはクリスマスケーキとチキンレッグ、そして綺麗なグラスに入れられたシャンパン。すごく美味しそうで今にも食べてしまいそうでしたが、少し待ってと彼女が言ったので、私は少し涎を垂らしそうになりながら待っていました。すると、彼女は手にミトンをはめて何かを思ってきました。よく見ると、彼女が持っていたのはバスケットでその中に入っていたのは焼きたてのパンでした。彼女が作るパンは何個でも食べれる程美味しくて、これが食卓に置かれると直ぐに消えてしまうほどです。「今日はすっごい上手に出来たの!」満面の笑みで彼女は言いました。その笑顔はすごい可愛くて、さすが私の彼女です。彼女の笑顔はこの世でいちばん美しいです。そして、2人は食卓につきいただきます、と言ってそれらを食べました。
「あぁ〜!美味しかった!」満足気な彼女は笑いながら自身のお腹をさすりました。「そうですね」私も笑顔で返しました。「ねぇねぇ」トントンと私の肩を叩いた彼女は私に耳うち声で「今日は特別なクリスマスイブになったね」と言いました。すこし頬を紅潮されつつ言われたものですから私はつい、口をこぼしてしまいました。「君がいなかったら、こうも特別にはなりませんでしたよ。」と、こぼしてしまいました。そしたら彼女はより一層頬を赤らめて「…私も」と言いました。
その顔は写真に収めたいほど可愛らしいものでした。今年のクリスマスイブの夜はとても特別な夜になりました。

12/24/2023, 11:01:01 AM