霧夜

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今はただ、ここで雨を降らしてしまう事を許して欲しい。

誰にも悟られないように、隅っこでやるからさ。

...だから、今だけは。

私の顔を濡らす、冷たい雨を流させて。

---二作目---

部屋の片隅で、じっと蹲っていた。
...弱い俺は、太陽の下には出られないから。
隅っこに居ないと、周りの存在感に押し潰されてしまいそうになるから。

「お前、大丈夫か?」

...それでも、こんなはなんの取り柄もない、端っこに居るだけの俺の事すら。
優しいお前は見つけてくれるから。
こいつが真ん中に居る時の話を、沢山話してくれるから。

...少しだけ、君がいる場所に、行ってみたいと思ったんだ。
無理かもしれないけれど、お前が居たら、俺も太陽の元に出れるかな。




#部屋の片隅で
142柵目

12/7/2023, 10:57:49 AM