窓崎ネオン

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太陽みたいな人になりたかった。

誰からも好かれる、そんな存在。

「美川さん学級委員やるらしいよ」

「マジ?成績良い人だけどさ、キャラじゃないよね」

「ね。目立ちたいのバレバレ。迷惑だわ」

女子トイレで、最近よく聞く、こんな会話。



「ごめん、美川!」

目の前では、男友達の陸が手を合わせて深々と頭を下げている。

「いいって、別に」

「いや、良くない!俺が立候補しろとか言ったばかりにお前が目立ちたがりみたいなことになって・・・」

「ちがうよ。確かに、最初はすすめられたからだけど・・・今は、私が、やりたいと思ってるの」

「美川・・・」

そのとき、教室にバタバタと駆け込んでくる、数人の生徒。

「「「香奈〜!!」」」

みんな、私の親友。

「大丈夫?変な悪口とか言われてるけど、気にしなくて、いいんだからね」

「私たちがいるってこと忘れないで」

「飴ちゃん食べる?」

「大丈夫だよ。みんな、大げさだな」

誰からも好かれるのは無理だけど、

「ありがとう。心配してくれて。みんながいること、忘れてないよ」

本気で心配してくれる友達がいる。

太陽みたいな人には、なれないけど、それでも、私は、かけがえのない、たった一人だ。




2/23/2023, 1:36:22 AM