「……」
朝起きると何時も頭の中でこだまする言葉。
あの時言われた言葉を時間があれば何時も考えてしまう。
何に対して言った?自分に?相手に?誰に対して言った言葉なんだ?
それすら分からない。
でもその言葉は私の胸の中に大切に仕舞ってある。絶対に忘れないように、大事に、大切に心の中に仕舞ってある。
私の大切な人の言葉だから。彼女の最期の言葉。
何に対して言った言葉か分からない。きっとそれは私が考えて分かることじゃない。人の心なんて簡単に分かる訳が無い。本人でないと特に。
だから、これから聞きに行こう。
彼女の最期なんて認めない。認められる訳がない。私が、必ず彼女を生き返らせる。
修羅の道を歩けば彼女に会えるなら喜んで歩こう。外道の道を行けば彼女と話せるのなら邪魔する者は叩き潰そう。
例えどれだけの犠牲を生むとしても、私の精神が壊れようとも彼女に一目会えるなら喜んでその犠牲を払おう。
私は彼女にもう一度会う。その為に他人を利用しよう。
私は地獄に落ちる覚悟はできた。これは間違っている事なんだ。だが、やめる気はない。私の正気が理性がやめろと警告を出すが、私の感情が、想いがそれらを否定する。
私が彼女に会って言いたい事は一つだ。彼女が私に言った最後の言葉。彼女を守れなかった、私が言える言葉は一つだけだった。
「ごめんね」
5/30/2024, 2:35:14 AM