夜空の音

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手放した時間

「勉強に集中したいから、別れて。」
彼はそう言った。
「わかった、勉強がんばって。」
そうして、私は1人目と別れた。

「さよなら。」
酔いつぶれて、暴言を吐いた彼の寝顔を横目に、机に鍵を置いて家を出た。
彼はむにゃむにゃと寝言を言っている。
そうして、私は2人目と別れた。

「別れたい。私の事怖いんでしょ?」
仕事中の私を怖いと言った彼は、なぜか私の袖を手放そうとしない。
「怖いと思われてるの知ってて、付き合いたいなんて思うわけないでしょ?怖い仕事の私も私なの。それを受け止められないんでしょ。」
でも....としょぼくれてる彼の手を振り払った。
そうして、私は3人目と別れた。

「別れて欲しい。」
私はLINEでそう打ち込んだ。
「なんで」「いやだ」
彼は私に噛み付いて離さない。
私は最終手段に出た。
「好きじゃなくなったの。」「浮気した。だから別れて。」
恋愛感情の好きなんて、思ったことないくせして、さも、今までその感情があってそれが失われたかのように。
そうして、私は4人目と別れた。

「ごめんなさい、ごめんなさい!嫌いにならないで!」
彼はなんと言ってたのだろう。
「もうでて行く!だから、ごめんなさい....!」
何も分からなくなった私は、気づけば友人の車に乗っていた。
手元には荷物が1式揃っていて、私は彼の家を出てきたことに気づいた。
そうして、私は5人目と別れた。

みんなが、恋愛感情の好きを持ってなかった。でも、大切だった。だから、元気にしてるか未だに心配する。5人目の、あなた以外。

11/23/2025, 11:24:04 AM