ここ最近は皆既月食という天体ショーがあって、それはもちろん趣深かったのだが、初めて月食を見た時のことも忘れられない。部分月食、それもふちがちょっと欠ける程度のものでしかなかったとしても。
当時はいわゆる受験生で、それを加味しても寝ているべき時間ではあったが、新聞に小さく取り上げられていた月食の記事を読んでしまったために気付けば真夜中にベランダから空を見上げていたのだった。皆が寝静まった時間に、ただただ月を見つめているのは悪くない気分だった。
ところでこの時、月見のお供にイヤホンを通して音楽を聴いていた。そのうちの一曲は、澄みきった心地よい冷たさのようなものがあるメロディーに月の綺麗な夜が本当によく似合っていた。今でもその曲を聴いていると月夜が目に浮かんでくるのだ。
3/7/2023, 1:57:01 PM