中宮雷火

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【辞世】

2010/12/20
ひさしぶりに歌詞をかこうとおもう。
これがさいごの作品だ。
いわば辞世の句。
ぼくはもう、曲をつくれない。
ギターを弾くこともできなければ、歌詞をかくこともできない。
文字をかくのがやっとだ。
漢字をかくのがつらい。

辞世の句は、みずからの人生をふりかえった感想のようなものだ。
くわえて、死に対する思いの具現化。
ぼくを現世にのこすこと。
人には2度の死があるという。
ひとつめは体の死。
ふたつめは、記憶の死。
みんなから忘れられたとき、人はほんとうのいみで死ぬ。
ぼくは怖い。
死ぬこと、わすれられること、きらわれること。
ぼくはずっとここにいたい。
今までの人生たのしかった、とかんたんにいえない。
だから、ぼくは日記をかいている。
いつか、だれかがみつけてくれたら。
そしてぼくのうたをみつけてくれたら。
ぼくはいきられるから。
だから、みつけてくれ。

9/28/2024, 11:36:45 AM