はーい。どうもぉー。向日葵でぇーす!
今回はぁー2作+父の作品がありまぁーす!w
では、どぉーぞ!
『無色の世界』
「貴方には、この世界の 色 は見えますか?」
突然、そんな手紙が来た。
当然、なんだコレ。何を言っているんだ?と思った。
色 ってなに??
『無色の世界』2作目
僕には色が見えない。
目が見えないわけじゃなくて、目は見えるんだけど
色がない。
そんな僕に、キミはこんな言葉を掛けてくれた。
「◯◯君、キミの視界には、色がないんだって?
あぁー…!!ごめんね!
悲しませるつもりじゃなくて…!
色がないんならさ、
◯◯君の好きな色にすれば良くない?
この私が言っても、お前にはわかんねぇだろって
なるかもで、ごめんだけど…!
無色の世界には、自分の好きな色が作れる、
最っ高の世界じゃない!?」
『無色の世界』父の作品
僕には色がないのだ。
生まれた時から家もない。
記憶もないし名前もない。
ただ転々と町を渡り歩いて今日はここにいる。
「お母さんは?」
小さな木のテーブルの上に温かいスープを
置きながら、キコが言った。
「さぁね」
キコはこの家の子で、両親は戦争でいなくなった。
だから一人で暮らしている。
「この家の子」と言っても、この家には
キコしかいないから「キコの家のキコ」が正しい。
僕はスープを飲みながら、
改めてキコの質問に答えた。
「母さんが、というよりも」
「うん」
「何も覚えてないんだな」
「何も?」
「父さんも、家も、知らない。そもそも、
それがあるのかも」
キコは僕と同じスープを飲み、
少し咳をしてから僕に聞いた。
「ケホッ…覚えてないの?」
「覚えてないと言うよりも」
無いんだな。なぁんにも。
最初からないんだから、覚えるとか忘れるとか
知らないんじゃなくて。
「無いんだな。なぁんにも」
それでもキコはあの日、ボロ布みたいな僕を
見つけてこの家に入れてくれた。
「名前をつけよう」
キコが言った。
「オーロラ」
変な名前だ。
だけれど無色透明の世界を、まるで鮮やかに
たくましく彩る、空のカーテンみたいだった。
窓のそれは夜だったけど、白夜で、明るかった。
4/18/2024, 10:33:14 AM