あなたが何でもないフリをして撃ち抜いた僕の左肩が、今年の冬もしくしく痛む。いっそ心臓に当ててくれたらよかったのに。あの日僕が取り落としたナイフは、きっとまだあなたの家に転がっている。痛みよりも強く、苦しみよりも長く、刻まれたあなたの印は癒えない。さよならと言えないままで、微笑みだけ遺してあなたは去った。僕が追いかけることを疑いもしないで。許しと裏切りと愛は同じものだと、僕らは知っている。
12/12/2023, 1:46:43 AM