紺色

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「好きです」

勇気を出して告白した日。

「ありがとう、でももう付き合ってる子がいるから」

そう言われた。

いや、仕方が無い。

だいたい私が告白したのは学校一モテる鈴木(すずき)くんだし。

付き合いたいだなんて、叶うはずがないのだ。

所詮私も脇役だった。

鈴木くんを見る。

迷いのない目。

私が告白した時一瞬の迷いもなく私を振った。

告白され慣れた態度。

鈴木くん。

鈴木くんの目には私がどう写っているんですか?

所詮私は顔も描かれない脇役ですか?

ねぇ、そんなに真っ直ぐ見つめ返してこないでよ。

少しくらい照れてくれても良いんじゃない?

「ごめんね、急にこんな事言って。これからも友達でいてくれる?」

「…あぁ、うん。もちろん」

今の間なに?

…あぁ、なんだ。

鈴木くんの中じゃ私って友達でもなかったの?

結構話してたほうだと思うんだけど。

ただのクラスメイトだと思ってた?

うわ、なにそれ、私めっちゃキモい奴じゃん。

勝手に鈴木くんと友達だと思ってるキモい奴。

「何してるの?」

後ろから可愛らしい声が聞こえた。

「いや、その、また」

少し小さい声で鈴木くんが答える。

「あぁ」

まるで私の値踏みでもするかのように下から上までしっかりと見てきたのは学校一可愛いと言われている七瀬(ななせ)さんだった。

もしかして、付き合ってる子って七瀬さん?

七瀬さんは女子の間で「学校一性格悪い」とまで言われている女の子。

こんな子と付き合っているのか、と驚きつつ私はさっきの鈴木くんの言葉が頭から離れない。

“また”。

やっぱ告白され慣れてたんだ。

それじゃあ動揺しないはずだよ。

私なんか、へでもない女の子にも告白されてるはずだし。

まぁ、最初から叶わないのは分かっていたから。

「私邪魔だよね。今帰るから、バイバイ」

だいぶ早口でそう告げてから私は踵を返した。

胸の奥から熱いものがこみ上げてくる。

すでに二人の世界に入っていた彼等には私の言葉なんか聞こえていなかったに違いない。

だって、挨拶ですら返してくれなかったんだから。

さよならくらい聞いてくれたって良いじゃん。

とんでもなく惨めな気持ちで家に帰った。


                               バイバイ

読んでくださりありがとうございました。

(下らない話)あの、好きな人の事勝手に自分の中で美化してた事ってありませんか?

私の好きな人とは一年生から四年生までずっと一緒で五年生になってクラス違くなるまで本当にずっと一緒にいたんです。

だから、結構好きな人の事知ってるし何でも受け入れられるくらいに考えていたんです。

で、六年生になってまた話すようになったんですが、なんか知ってるのと違う訳です。

私の知ってる好きな人は大っぴらに人の悪口を楽しそうにしないイメージがあったんですが。

だいぶ違う。

なにがあった?ってくらい違うんです。

びっくりしました。

それだけなんですけど。

2/2/2025, 9:54:49 AM