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数週間前の日付が載る新聞をガサリと広げる。
一度は紐でまとめた中から避難させておいた目的も、すぐさま見つかった。
それは実際の空を見て判断するという、生身の人間が持つアナログ感覚に基づいた「使い分け」が失われたといった見出しの記事である。

情報番組の進行役や、お偉い専門家の方のような詳しい知識でする話題の広げ方なんてものは、一般人の極みたる自分には出来などしない。
それでも個人的な範囲だけで話すのであれば案外なにも感じなかったわけではなく、こうして紙束から弾く程度には気にもなっていたらしい。

耳へ入る単語から、ぼんやりと頭に浮かんだのは「夏休みの宿題」。
なかでも“お約束”として出されもした絵日記の存在と、その悩ましき失態の数々を思えばこそ、ちょっとだけ物寂しさを覚えてしまったのだ。

本日の青い空には、一つの雲も流れていない。

【快晴】

4/13/2024, 12:37:29 PM