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2.列車に乗って

まだ猶予はある。私は列車に乗ってる間、このようなことを呟いた。賞を受賞したという事実はとても嬉しいが、その反面、インタビューの受け答えが困る。さっきから頭の中はそんなことでいっぱいだ。せっかく世間に認められたのに一瞬にして私の言動で名誉が吹っ飛ぶかもしれない。そんなことを考えると居ても立っても居られない。景色は私が動かずとも車掌が変えてゆく。どうにもできない時間が流れるのなら事故でも起きてしまえとも思った。そんな独りよがりなことを考えながら私は足を小刻みに震わせていた。

2/29/2024, 6:15:08 PM